
清代の康煕から嘉慶にいたる間に、王羲之・王献之の二王を典型とする晋唐法帖の研究が盛んになり、法帖に見る書法を中心に晋人の風気を継承して芸術活動を展開した、いわゆる帖学派といわれる人々の書画を展観いたします。
清代の後半に碑学が勃興する以前にはもっぱら帖学が行われていました。帖学派とは碑学派に対する呼称で、鍾



臨学の重要性は何時の時代にも共通するものです。帖学派といっても実際はさまざまで金石を好む人、篆刻に長じた人や碑学を兼備した人など帖学専修の人ばかりではないようです。また逆に北碑研究の必要性を唱導した包世臣のように碑学派でありながら帖学に通じた名家もいます。
帖学派の人々が清朝の書道に残した足跡とその命脈は、今日の書道に少なからず影響を与えているに違いありません。帖学派の人々の書画の世界をご静鑑下さいますれば幸いでございます。
平成19年新春
謙慎書道会理事長 新井 光風